source: Cointelegraph
台湾拠点のブロックチェーンセキュリティ企業のクールビックス(CoolBitx)は7日、仮想通貨(暗号資産)のマネーロンダリング規制向けソリューション「シグナ・ブリッジ(Sygna Bridge)」のテストを実施し、有効な結果を実証できたと発表した。
シグナ・ブリッジは、マネーロンダリング対策の政府間組織である金融作業活動部会(FATF)の規制順守に向け顧客データを共有するためのソリューションだ。
FATFは昨年6月、仮想通貨取引所やウォレット事業者といった「仮想資産サービスプロバイダー(VASP)」に対して顧客情報の収集やVASP間の情報共有を要求する「トラベルルール」(FATF勧告16)を規定した。
今回のテストには、クールビックスに出資しているSBI傘下の仮想通貨取引所SBI VCトレードや、台湾の取引所「BitoPro」、韓国の取引所「Bitsonic」が参加した。
テストは2020年4月に実施された。各取引所にシグナ・ブリッジを統合し、実際に取引所間で仮想通貨の送金を行い、シグナ・ブリッジによる国境を越えた取引における「トラベルルール」の有効性の実証を行った。
このテストでは「各VASPのシステムにほぼ影響を与える事なく、FATF勧告16に準ずることができた」という。大手監査法人による検証も行われ、FATF規制の要件を満たしているという評価を得ることもできたという。
SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは、今回のテスト成功によって「VASPがプライバシーを犠牲にすることなくFATFのガイダンスに準拠できるようになった」とコメントしている。
世界各国でFATFのトラベルルールに対応するための規制が整備され始めており、クールビックスでは今回のテスト結果をもとにシグナ・ブリッジの有効性を訴えていくようだ。
クールビックスは今年2月、シリーズBラウンドで1675万ドルを調達。SBIやマネックスなどが参加した。